ビターテイストな乙女ゲーム。
『三国恋戦記 オトメの兵法!』の続編ですが、話は全く繋がっていませんので、前作をプレイする必要はありません。
前作とはだいぶテイストが違うので、むしろ前作のようなラブコメを期待していると肩透かしを食らうかも。
個人的には、面白いことは面白かったけど、何回もプレイし直したいくらいかと聞かれると……うん。
三国恋戦記 魁について
【概要】
女性向け恋愛アドベンチャーゲーム。
攻略キャラは5人。
選択肢を選んで読み進めていくタイプのゲームです。
共通ルートはほとんどありません。
また、前作の軍議に当たる部分が存在せず、選択肢は少な目。
シビアな世界観で、選択肢を間違えると即BADへ、というのが結構あります。
主人公は大人しくて控えめ。
人によっては流されっぽく見えるかも。
プレイしてみた感想など
うーん、微妙。
面白いことは面白いんだけど、三国恋戦記として期待してたものとは違いました。ちょっと期待値を上げすぎたかな……。
一部シナリオが短く感じるルートがあったり、恋愛過程はいいのにEDがビターテイストだったり、個人的にお気に入りルートがなかったのがこの『微妙な感じ』に拍車をかける理由かも。
シナリオもEDも、とにかく人を選ぶ尖った印象がありました。
登場人物がダークヒーロー寄りなのもあって、かなり残虐な行為を想像させるテキストがあります。
絵では表現されませんが……。心情的にも結構えぐられるものが。
主人公の巴は控えめですが前作主人公に比べると恋愛には積極的。
状況が状況なので非常に惚れっぽく見えてしまう面もありました。共通がなく、頼れる人が攻略対象一人のため仕方がないのですが……ストックホルム症候群とか、吊り橋効果とかいった言葉が思い浮かんでしまうのも致し方なし。
もうひとつ、共通がないことの弊害として、最初に選んだキャラクター以外はほとんど登場しないところも残念でした。
攻略対象と二人の世界、という感じが強まって共依存っぽく見えてしまいます。共依存が悪いというわけではないのですが……「ほんとにそれでいいの?大丈夫なの?」という不安感がつきまといました。
ルートによっては自分から問題解決のために行動を起こしたりはせず(状況的に難しいのもあります)、流されるだけに見えてしまうことも。
前作のようなノーマル大団円ルートはありません。
というより、今作は「運命は変えられない」というスタンスに感じました。一部を除いてですが……。
前作と比べないとしても、基本的に私はハッピーエンド好きなので、『完全なハッピーエンド』が少ない今作は好みに合いませんでした。
とはいえ、攻略対象との恋愛模様はある程度描かれているので、ビターな雰囲気が好きな人はハマるかもしれません。
滅びゆく国、死を恐れず戦いに身を投じる攻略対象に、寄り添うことしかできない主人公が無力感に苛まれながらも最後まで添い遂げる物語。
こんな人におススメ
ビターエンド、攻略対象が悪役、共依存、異世界トリップなどのワードに惹かれる人にはオススメします!